高校で数学が大嫌いになった話

 

 皆様、この大雨の中、いかがお過ごしでいらっしゃいますか。

 外に出られずに暇だという方もいらっしゃるでしょう。なので、つまらない私事ではありますが、ふと思い出した話にお付き合いいただければと思います。

 と言っても、たまたま目に入ったから見てやるか、ぐらいで結構です。だって始めたばかりのこのブログ、まだまだPVもあまり稼げておりませんし。

 

 

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 さて、これから私がするのは、いかにして私が数学を諦めてしまったか、というお話です。出会いというものがいかに重要かという話でもあります。 

 

 

 

  

中学校まで

 

 私は、中学校まではそれなりに成績がいいほうでした。有名私立高校などは受験できないけど、近所の公立高校の一番のところは受けられるくらいには、という感じです。

 詰め込み式の授業で、それなりに要領よくこなすのはうまかったという感じです。応用するのは苦手だけど、基礎の積み上げは問題なくできて、先生の評価もまあまあ。好かれもせず、嫌われもせず。

 ただ、一部の生徒、教師からは猛烈に気に入られるというところもありましたが、成績には関係ありませんね。

 

 ですので、 高校受験も終わり、晴れて近くの高校に入学し、さあ高校では一体どんな授業を行うのかと、(心理的に)胸を膨らませて入学したのでした。

 

数学の担任

 

 忘れもしない。入学式の翌日です。 

 昨日、担任だと名乗ったI先生は、朝のHRの後に「この後、全校集会があります。迎えに来るまで教室で待機しているように」と間違いなく言いました。

 30分ぐらい経ったでしょうか。

 

 誰も来ない。

 

 誰も来ないのはまだしも、校舎が静まり返っている気がする。どういうことだと教室内の生徒全員がザワザワし始め、一人の生徒が隣の教室を覗いて、叫びました。

 

「誰もいない!!」

 

 入学式翌日の全校集会で、他の学年の先輩たちとの顔合わせ歓迎イベントがあることを、私たちは聞かされています。隣の教室は1年生の教室。

 慌ててその向こうの教室まで見に行った男子生徒は戻って来て言いました。

 

「他も誰も、3年もいない!」

 

  クラス全員、椅子から立ち上がり走り出しました。通り過ぎる他の教室内には、本当に誰もいません。迎えなんて来てないし。全員がそう思いながら体育館に駆け込むと、そこには私たちのクラスの生徒以外全員がいた上に、さらにその上をいく衝撃の光景が。

 

 担任がいたのです。 

 

 嘘だろ。なんであんたがいるんだよ……

  

 その後、謝罪があったかどうか、その辺の記憶はありません。ですがその担任こそ、私たちのクラスの担任であり、これから2年間、私たちに数学を教える教科担当だったのです。

 いらないエピソードかもしれませんが、あまりに衝撃的な出来事だったので、ちょっと語ってしまいました。

 

 閑話休題

 

 

初めての‘10点’

 

 顔合わせ歓迎会をクラス全員が遅刻する事件があったものの、I先生はそれ以外のところで大きな問題を起こすことはありませんでした。生徒を怒鳴るところを見たこともないですし、基本的には温厚な先生で、クラスの数学のテストの平均点が、他のクラスより明らかに低いことに落胆している以外は、生徒を責めるようなことも言いませんでした。

 

 明らかに、問題はその先生の数学の授業でした。

 

 高校に入っても、私は他の教科のテストで60点以下をとったことはありませんでした。

 しかし、数学ⅠAに関しては、ついに最低点の「10点」を叩き出し、最高でも57点までしか届くことはありませんでした。むしろなんでそのとき57点取れたのかが不思議。 

 

 同じクラスの他の生徒も、「1点」の生徒が「まるで『全部間違っている』と言われているみたい」と落胆し、「0点」の生徒が「とりあえず「丸」がある〜」と関係ないところで一喜一憂するという体たらく。

 

 初めて10点のテストを返されたとき、私は「怒られる」という気持ちよりも、逆に「こんだけひどいなら皆同じ」と、むしろ吹っ切れた気持ちで平然と母親に差し出しました。

 驚いたのは母です。確かに娘から「数学が分からない」とは聞かされていたものの、ついに10点という点数のテストを平然と持って帰って来てしまったわけです。なんでこんなにうちの子は数学ができないのだろうと一時は本気で悩んだそうですが、他の知り合いに聞くと「うちの子も同じことを言っている」と言われ、これが高一の壁か、と思ったそう。

 

授業参観

 

 そんなある日、授業参観が行われました。私の母は、高校生にもなったんだし授業参観なんて今更、と思ったのだそうですが、1年生の最初ぐらいはとその年の授業参観に来ました。

 しかしそこで母は、ちっとも数学ができない理由がわかったそう。

 

 あまりに一方通行。

 数式の解説をするのですが、先生は常に黒板を見て、生徒の様子を振り返ることはなく、理解できていないだろう様子の生徒に質問することもさせず、解説を終了してしまうのです。当然、入学してからある程度期間も過ぎていますから、既に分からないことを分からないままにしている生徒は、どこを聞けばいいかも分からないので質問のしようもありません。

 

 そして先生は最大の失態をおかします。

 

 問題が、解けなかったのです。

 

 おそらく問題を検討しないまま授業に出たのか、とある問題をI先生が自分で解くことができませんでした。

 

 この授業に唖然とした私の母は「このままでは数学の成績が危ない」と考え、私を塾に入れることを決めました。

 しかし、時既に遅かったか、それとももともとその素養はなかったのか、私の数学の成績は上がることはなく、もともと文系志望だった私は「数学なんていらない」とダメな方向にスパッと切り替えてしまい、その後、文系コースで数学と離れるまで身を入れて勉強することはありませんでした。

 

思い出して思うこと

 

 正直、先生の教え方が良くても理系コースに行くことはなかったと思います。

 それでも、 今思い出してみると教え方ひとつでこうも興味を失うものなのかと私に教えてくれた教科でもありました。

 もともととても好きだったわけではありませんが、分からないまま突き進んでしまうと、そのうち道がわからなくなっていくのだとこの数学の授業を思い出し、自主学習をする際に常に心に留めて、こまめに自分がどこを分かっていないのか振り返るようにしています。

 

 また、これから私は、自分の子供の勉強を見ることもあるかと思います。その時に、子供が学習への意欲を失わないように、分からないところを分からないままにしないように、教えてあげたいと思っています。

 

 

 

 

 オマケ

 

 今はお着替えを教えています。反復練習あるのみ!